皆さんこんにちは。ようこそ石川県へおいで下さいました。きょうは、マイクロソフトのシェアポイントによるOffice文書内容のデータベース化についてお話しします。 講演中に、演者の山野辺がどうしても発音できずにかんでしまう部分があるので、ぼく、ロボホンが代読します。シャープ広島工場生まれです。よろしくお願いします。 次の画面お願いします。 まず、けいじゅヘルスケアシステムのご紹介をします。中核施設は、この地図の真ん中あたり、能登半島の七尾市にある、けいじゅ総合病院です。ここ金沢からは特急列車で55分くらいかかります。能登半島の他の町にはこれだけの公立病院があります。 次の画面お願いします。 空からドローンで撮影した写真です。左が、けいじゅ総合病院、右のほうにはグループの社会福祉法人であります、とくじゅうかいの高齢者住宅があります。この2つの法人をあわせてけいじゅヘルスケアシステムと呼んでいます。 次の画面お願いします。 グループ内には病院ふたつとクリニック4つ、介護系の施設や障害者施設、高齢者住宅やセントラルキッチンなどを含んでおり、1500ベッドくらいの規模があります。 それでは本題に入りましょう。次の画面お願いします。 ドキュメントや書類ををデータベース化する手法としては、この業界では大阪大学医療情報部が提唱した、ダックスというコンセプトが有名だと思います。これにもとづいてアペオス・ぱみゅぱみゅという製品が出ており、皆さまのなかにもお使いの施設があると思います。では、3回続けて発音してみましょう。「アペオス・ぱみゅぱみゅ」「アペオス・ぱみゅぱみゅ」「アペオス・ぱみゅぱみゅ」 「きゃりーぱみゅぱみゅ」  。 もちろん、「アペオス・ぱみゅぱみゅ」というのは、私がつけた通称で、正式には、アペオスピーイーマスタープロレコードメディカルという長い名前です。 さて、ダックスの重要ポイントは、スキャナやその他のシステムから生成されたドキュメントに、XML形式でメタデータを付加して、それを別のデータベースで管理できるというところです。右側の図の赤い矢印で指しています。これと似たようなことを、汎用システムであるシェアポイントでも実現できるのです。 次の画面お願いします。 これがシェアポイントです。マイクロソフトによる説明はつぎのとおりです。 チームサイトやポータルを簡単に作成して、あらゆるデバイスから組織の内外のメンバーが作成したコンテンツを検索、共有、共同作業できます。ここにはドキュメントデータベースに使えるとは書いていませんが、ともかく、クラウド版ならひとり月額540円から利用できます。私たち「けいじゅヘルスケアシステム」では、オンプレミス版を使っています。 次の画面お願いします。 シェアポイントの説明の前に、パソコンのファイル一覧画面でその基本概念を説明します。パソコンのファイル一覧画面には、ファイル名や更新日時、種類、サイズといった属性の列が表示されています。下の段のように、それ以外にもさまざまな列が存在しており、必要に応じて表示を増やすことができます。 次の画面お願いします。 このようなファイル属性の列は、ワードなどのファイルのプロパティ属性と一部連動しています。した半分のふたつの図のように、ファイルのプロパティ画面を開くと、たくさんのプロパティー情報が設定できることがわかります。しかし、すべてのプロパティー情報を一覧画面に出すことはできません。 次の画面お願いします。 そして、このプロパティー情報は、ワープロ文書の本文内にフィールドとして貼り付けることができます。ちょうどファイルメーカーでいえば、フォームにフィールドを貼るのと同じようなことができます。 今回は愛知医大のふかつ先生が配布されましたアンケート文書をサンプルとして使わせていただきました。 次の画面お願いします。 ここでようやくシェアポイントが出てくるのですが、シェアポイントを使うと、さきほどお目にかけた一覧画面の属性列と、連結した文書プロパティーをいくつでも自由に作ることができ、文書内にフィールドを設定できます。 言い換えると、シェアポイントを使うことで、SQLデータベースと連結した、独立した文書の形で外に持ち出せるフォームとして、WordやExcelファイルを利用できるということなのです。 次の画面お願いします。 シェアポイントのクラウド版で実際に試してみましょう。シェアポイントを含んだ「Officeサンロクゴ」の30日間無料評価版にサインアップします。メールアドレスや希望するドメイン名などを入力すると、10分ほどで右下の画面のようにすべてのアプリケーションが使えるようになります。途中で、「ロボットではないことを証明してください」と表示が出てきて、「ぼくらロボットは使えないのかぁ」と、ちょっとがっかりさせられました。 次の画面お願いします。 ここでは、シェアポイントのさまざまな機能の中で、文書を格納するドキュメント・ライブラリという部品を使い、必要な列の属性を設定していきます。ここではアンケート向けに、4つの選択肢をドロップダウンメニューで選択するように設定しました。ファイルメーカーなどデータベースソフトのフィールド設定画面と似ていますね。 次の画面お願いします。 これを繰り返して、左上のように、3つの項目について選択入力ができるような列を追加しました。設定が完了すると、それと連携させたWordファイルの中では、本文中にフィールドとして挿入できるプロパティーが3つ増えています。これらのフィールドを文書内に挿入すると、シェアポイントで設定したとおりに、Word文書中でドロップダウンメニューから選択できるようになります。 次の画面お願いします。 このようにして作ったWord文書を保存すると、上の図のように、文書内で設定した属性が一覧画面内に表示されます。さらには、シェアポイントから起動するだけでなく、文書ファイル単体として、メールに添付するなどして調査対象の人に送り、戻ってきたファイルをまとめてアップロードすることもできます。そうすると下の図のように、それぞれのフィールドに設定されたデータが、シェアポイントのリスト上に表示されるようになります。これらのデータは、右の赤い囲み部分のように、Word文書を開かなくても、ブラウザの画面上で編集と更新ができます。この画面で更新した後でWord文書を開くと、文書内のフィールドも、正しく更新部分が反映されています。 次の画面お願いします。 シェアポイント上では、文書内容とは独立した列も簡単に追加できます。左上の例では、都道府県に加えて、関東や北陸といった区分を追加してみました。ひょう形式で表示した画面では、Excelでセルをフィルするのと同じ要領で、複数ぎょうの同じ項目を一括して更新することもできます。このようにシェアポイントの属性列はブラウザ上でExcelと同じような操作ができますが、それに加えて、データをExcelにエクスポートすることもできます。こうすることで、シェアポイントのリストとExcelクエリが連結された状態になります。あとはExcelのうえでデータをコピーして、分析やグラフ化などの操作がいかようにもできます。 次の画面お願いします。 以上のまとめです。シェアポイントを使うと、従来から使っている、WordやExcelの文書にデータベース連携機能を簡単に追加できます。そして、このリストはExcelにエクスポートして活用できます。電子カルテシステムの中でもWord文書やExcel文書が多く使われていますが、これらも電子カルテと並行してシェアポイントに集積して管理することもできます。私たちも今後さまざまな電子カルテ文書をデータベース化したり、患者横断的に集計したりしていきたいと考えています。院内で使えるオンプレミス版以外に、少ない投資で始められるクラウド版も便利です。あと、今日ご紹介したのは、ノンプログラミングでの活用でしたが、お金をかけて企業に依頼し、プログラム開発をすれば、より細かい処理をすることもできると思います。 次の画面お願いします。 最後の画面です。繰り返しになりますが、シェアポイントを使うと、既存のWordやExcelの文書ファイルをデータベースフォームに改良したような効果を得ることができます。ご静聴、ありがとうございました。 以上で代読を終わります。